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渡辺省亭《牡丹に蝶の図》1893(明治26)年 絹本着色 一幅 個人蔵渡辺省亭は、明治から大正にかけて活躍した日本画家だ。繊細・洒脱な花鳥画を得意とした省亭は、パリ万博への出品やロンドンでの個展などにより、欧米で高い評価を獲得。しかし日本では、迎賓館赤坂離宮の七宝額原画を手掛けるなど、その実力こそ認められつつも、明治30年代以降は徐々に中央画壇から距離を置いたため、その作品が紹介される機会が少なくなった。
渡辺省亭《百舌鳥に蜘蛛図(花鳥魚鰕画冊)》絹本着色 一面(全二十一面のうち) メトロポリタン美術館「渡辺省亭─欧米を魅了した花鳥画─」は、省亭の全貌を詳らかにする初の展覧会。従来知られていなかった個人コレクションを中心に、近年再評価が進む海外からの里帰り作品も含めて、その全画業を紹介する。繊細・洒脱な花鳥画
渡辺省亭《牡丹に雛図(花鳥魚鰕画冊)》 絹本着色 一面(全二十一面のうち) メトロポリタン美術館生涯を通して浅草に暮らした省亭は、日本の美意識を頑なに守る画家であった。他方で、優れたデッサン力と描写力は当時の日本画界でも群を抜いており、明治20年代には伝統と洋風を融合した独自の画風を確立した。
渡辺省亭《春野鳩之図》絹本着色 一幅 加島美術会場では、色鮮やかに咲き誇る牡丹を洗練された構図と確かな描写で表現した《牡丹に蝶の図》や、四季折々の花鳥を12幅の連作にまとめた代表作《十二ヶ月花鳥図》、近代的な写実性を備えつつも愛らしく描かれた《春野鳩之図》や《月夜木菟》などの花鳥画を展示する。欧米を魅了した作品が初来日
渡辺省亭《鳥図(枝にとまる鳥)》1878(明治11)年 紙本淡彩 一図 クラーク美術館 Clark Art Institute. clarkart. edu明治11年、万博を契機にパリを訪れた省亭は、滞在中にその筆さばきでもって、ドガといった印象派画家を驚嘆させた。また、明治20年代にロンドンで開かれた展示会では、100点を超える省亭作品が販売されたという。本展では、そのように欧米の人びとを魅了した作品が初来日。ドガの眼前で描かれた《鳥図(枝にとまる鳥)》や、小さな画面に鳥や魚が躍動する「花鳥魚鰕画冊」などを楽しめる。洗練された画風の美人画も
渡辺省亭《四季江戸名所(夏 不忍池蓮)》(部分) 絹本着色 四幅のうち 個人蔵歴史画家・菊池容斎の門下として出発した省亭。のちに花鳥画で一世を風靡することとなるが、独特の品格漂う美人画は「省亭風」と呼ばれ、鏑木清方ら後代の日本画家にも影響を与えた。四季折々の江戸の風情を洗練された筆致で描いた《四季江戸名所》などからは、花鳥画にとどまらぬ省亭の魅力にふれられるだろう。展覧会概要展覧会「渡辺省亭─欧米を魅了した花鳥画─」